『内部被曝』矢ヶ崎克馬・守田敏也[著]
東日本大震災以降、放射能による問題として重要視されている内部被曝とは何か。さらに人体への影響の度合いに、様々な見解があるのはなぜか。いまの状況にいたるまでの軌跡をたどりながら、その問題点をわかりやすく解説する。
第3章 -冒頭-
放射線が人体に影響する仕組みそのもの、内部被曝のメカニズムそのものは、それほどむずかしいものではないということです。そこで素朴に疑問に思うのは、なぜこのような内部被曝の恐ろしさが、社会的にきちんと理解されていないのかということです。(守田)
【内部被曝とは何か】
今あらためて、ここを把握して欲しい。歴史が証明する内部被曝被害の五年遅れのラグ。我々は3年目という「渦中」に居る。
岩波ブックレット No.832 『内部被曝』 矢ケ崎克馬・守田敏也
(店主)
目次
第1章 被爆直後の福島を訪れて
第2章 内部被爆のメカニズムと恐ろしさ
第3章 誰が放射線のリスクを決めてきたのか
第4章 なぜ内部被曝は小さく見積もられてきたのか
第5章 放射線被曝に、どのように立ち向かうのか
単行本(ソフトカバー): 72ページ
出版社: 岩波書店
発売日: 2012/3/7
サイズ: 21.2 x 14.8 x 0.6 cm
矢ヶ崎 克馬
1943年生まれ。広島大学大学院理学研究科博士課程単位取得満期退学。理学博士。専攻は物理。琉球大学理学部教授、理学部長などを経て、2009年3月、定年退職。琉球大学名誉教授。2003年より、原爆症認定集団訴訟で「内部被曝」について証言をする。東日本大震災以後は、福島ほか、全国各地で講演をしている。
守田 敏也
1959年生まれ。同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在フリーライターとして取材活動を続け、社会的共通資本に関する研究を進めている。ナラ枯れ問題に深く関わり、京都の大文字山などで害虫防除も実施。東日本大震災以後は、広くネットで情報を発信し、関西をはじめ被災地でも講演を続けている。また、京都OHANAプロジェクトのメンバーとして、被災地に中古の自転車を整備して届ける活動をおこなっている。