野口のタネ|いちずいんげん| 白種丸さや。形状抜群。長期多収
味良く形よいつるありインゲンの女王。長期多収。白種子白花で、節間が短く、病害に強いつるあり菜豆です。
インゲンの原産地は中米のメキシコからグアテマラにかけて。
名称:いちずいんげん Ichizu Pole Bean ・ Phaseolus vulgaris L.
内容量:40ml,80粒
蒔きどき 4〜7月
種子加工 なし
種子消毒 なし
収穫はじめはケンタッキーワンダーより4〜5日早い中早生種です。長期間最後まで上物が安定して得られる多収品種です。18〜20cm位の、鮮緑色の若干ふくらみをもった美しい丸長莢で、曲り莢は極少、市場性、調整作業効率が抜群です。さび病、葉やけ病、根腐病に強い方で、株持ちが良好です。春および秋の露地栽培に適します。
すじなしで表皮軟らかく、ゆで上がりの色、食味が優れます。
育て方、タネの取り方
主産地/全国 採種地/タイ
● 収穫期:とり遅れないよう、M莢どりを励行してください。
● 発芽適温:最適20〜30℃。最低15℃、最高35℃。
● 生育適温:15〜25℃。10〜30℃の範囲で栽培可。10℃以下では生育が停滞する。30℃以上の高温が続くと落花が多くなる。
● 栽培法:節間が短く、伸長のわりには着莢が多いので、早めの収穫励行と繁茂時の葉かきを行います(少しずつ)。
● 播種法:苗作りは浅箱にスジまきする。スジ間隔6cm。種の間隔2cm位
● 覆土:タネの厚みの2,3倍。発芽まで乾かさぬこと。
●採種法:完熟果からタネをもみ出し、ポリ袋などに入れて2,3日発酵させ(途中水を入れると発芽してしまうので注意)、水洗して沈んだ種を新聞紙に広げて半日陽に干し、日陰で充分乾燥させる。
● 発芽検定月:2020/10 発芽率 80%以上確認
● 種子寿命:長命種子の部類。(4年以上)
● 休眠:ない。
● 種子保存法:よく乾燥させ、紙袋に包み、低温低湿度の環境で保管する。
※注意事項
1:種子を食用、飼料用に使用しないで下さい。
2:小児の手の届かない場所に保管して下さい。
3:直射日光を避け、涼しい所で保管して下さい。
野口勲氏プロフィール

野口のタネ・野口種苗研究所代表
1944年生まれ。
全国の在来種・固定種の野菜のタネを取り扱う種苗店を親子3代にわたり、埼玉県飯能市にて経営。
伝統野菜消滅の危機を感じ、固定種のインターネット通販を行うとともに、全国各地で講演を行う。
著書に「いのちの種を未来に」「タネが危ない」、共著に「固定種野菜の種と育て方」等。
家業を継ぐ前には、漫画家・手塚治虫氏の「火の鳥」初代担当編集者をつとめた経歴を持つ。
野口のタネ・野口種苗研究所(http://noguchiseed.com/)
タネが危ない!わたしたちは「子孫を残せない野菜」を食べている。
いま世界の農家で使われているほとんどのタネが「F1」と呼ばれる一世代限りしか使えないタネ。そしてF1の中でもオシベがない「雄性不稔」と呼ばれる、生物学的には異常なタネが増えていると言います。
食糧生産の効率化のために増え続けるF1のタネ、私たちの食の安心や安全は守られているのでしょうか?
---- 雄性不稔植物を使ったF1種の作り方 ----
まず改めて簡単に用語のおさらいです。
● F1種:異なる性質を持つタネを、人為的に掛け合せてつくった、雑種の一代目のこと。異種を掛け合せてつくるイイとこ取りの種です。
● 除雄:作物が自家受粉(自分の花粉で受精すること)しないように雄しべを手で取り除くことを言います。F1種は「雑種」であるため、自家受粉されては目的の雑種がつくれないため、除雄が必要になります。
● 雄性不稔:植物の葯(やく)や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完全になることを言います。人間で言えば、男性側に原因のある不妊症と同じです。
---- 雄性不稔植物はどのように生まれるのか? ----
とても便利な雄性不稔植物ですが、どのように生まれてくるのでしょうか?
ズバリそれは、突然変異によるミトコンドリア異常によって生まれてくるのです。
ミトコンドリアとは簡単に言えば、細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどを、直接あるいは間接的に供給する器官です。この、生物にとって必要不可欠なミトコンドリアに異常をきたすことによって雄性不稔植物が生まれてくるのです。つまり、今私達が口にしているものの多くは、このようなミトコンドリアに異常のある野菜ということになります。このような異常のあるものを食べて続けても体への影響は無いのでしょうか?
タネをつなごう
固定種とは「固定された形質が親から子へ受け継がれる種」のことを言います。
つまり、親としていいものを選んで選別淘汰していき、そのいいものを遺伝的に固定していき、安定したものを栽培していくということです。それが京野菜などの伝統があり、個性を持った野菜として根付いています。
固定種の利点は、遺伝子が固定されているため、自家採種が基本的に可能であること。
野菜を成熟させて、種まで採ることは決して簡単なことではありませんが、私たちが食べているお野菜たちの一生を見守ることができるのはとても素晴らしい体験になるでしょう。
野菜たちは私たちに食べられるために育つのではなく、種を残して子孫を繋ぐのが彼らの一生です。種を残したいという植物たちのエネルギーは凄まじく、全く違う姿になるものもあります。そんな姿を見ることによって、改めて食べもののありがたさを感じることができるでしょう。