『真面目にマリファナの話をしよう』佐久間裕美子[著]|文藝春秋[刊]
なぜアメリカは「麻薬」を「奇跡の薬」として解禁したのか?
バブル前夜のマリファナ・ビジネスの最前線を追う。
2014年、全米で初めてコロラド州で嗜好目的のマリファナ使用が合法化された。
これを潮目に業界は急成長。
マリファナ観光から栽培学校まで誕生、関連株は「ビットコイン並」に急騰し、
シリコンバレーの超エリートやセレブが続々参入するなど
マリファナ・ビジネスは4兆円の巨大市場「グリーン・ラッシュ」となった。
連邦政府が“悪”とこだわり、
長い間非合法ドラッグとして扱われてきたマリファナが
なぜ世界市場を席巻するほどのムーブメント化したのか?
合法化にいたるまでのアメリカの歴史と解禁後のいまを追うと
ガン、エイズ、緑内障などの医療使用解禁派の存在や、
政治家の思惑、リーマン・ショックによる行政の財政難も見えてきた――。
日本人の知らないアメリカのマリファナ事情を解き明かす
前代未聞のノンフィクション。
[目次]
プロローグ
第一章 マリファナ・ロードトリップ
1993年 カリフォルニア
1996年 ニューヘイブン
アメリカの世論の変遷
2015年8月 コロラド
420というストーリー
伝説の男“AJ”に会いに
コロラドが全面解禁に踏み切った理由
ボルダーのディスペンサリー
壮大な実験の結果
2015年12月 ワシントンDC ヒルトン・ホテル
ハイタイムスとNORML
増えるマリファナ・コンファレンス
マリファナ業界で働く人たち マイケルのこと
2016年2月 シアトル ピア21
マリファナ栽培学校
2016年3月 高級ブランド「マーリー・ナチュラル」の誕生
2016年6月 ニューヨーク ジャビッツ・センター
2016年7月 「ディナー・イズ・ドープ」に潜入 ブルックリン
「ストップ&フリスク」がもたらしたもの
医療マリファナをめぐるタウンホール・ミーティング ニューヨーク
アメリカのオピオイド中毒危機
2016年11月 大統領選挙
2017年1月 ポートランド
2018年1月 カリフォルニア
2018年4月20日
2018年6月 中間選挙
第二章 なぜアメリカはマリファナを解禁するのか
複雑な歴史
カンナビス、マリファナ、大麻
アンチ・マリファナ・キャンペーン
最初の捜査官アンスリンガー
ハースト家の息子
マリファナ合法化運動の始まり
ティモシー・リアリーの反乱
ニクソンの「対ドラッグ戦争」
政府による秘密のマリファナ実験
激増する逮捕者
マリファナ合法化運動団体の登場
個人と州の抵抗
オレゴンから全米へ広がった波
第一次マリファナ・バブル
国からマリファナを受け取った男
世論が変わった
エイズの登場とマリファナ
カリフォルニアで起きた奇跡
第三章 もしも自分が患者だったら
カンナビスのメカニズムを解明する
アントラージュ効果の発見
どんな病気に効くのか
国際的なコンセンサス
日本のこと
どう規制していくのか
もしも自分が患者だったら
2019年2月 カリフォルニア
CBDブーム
終わりに
単行本(ハードカバー): 224ページ
出版社:文藝春秋
発売日:2019/08/08
サイズ:13 x 18.8 x 1.6cm