『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』みんなのデータサイト[編]
避難する人、しない人、
すべての人に
被ばくを避け、人間らしく生きる権利を!
”NO MORE HIBAKU宣言”より
商店販売予定分は完売しました。
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はじめに
この本は、2011年3月11日の東日本大震災による福島原発事故後、日本各地で立ち上がった「市民放射能測定室」のネットワーク、「みんなのデータサイト」による6年間の活動の測定結果を集大成としてまとめ地図化、解説を収録したものです。
福島原発事故後、どこにどれだけの放射能があるのか、食べ物は、水は、土は・・・?と、皆が大きな不安を抱えました。農家さんは「自分の畑の放射能はどの程度か」悩み、「ここで作った作物を食べてもらって大丈夫か」と迷いました。消費者は「これを買っても大丈夫?」と悩み、そして多くの人々が「ここで暮らし続けていいのか」「ここで子どもを遊ばせていいのか」暮らしの1つ1つが、見えない放射能との戦いとなり、不安の連続のただ中に置かれました。
私たち市民測定室は、国の調査と異なり、自分たちが測定したいものを測定し、測定したい精度まで細かく測定できるのが特徴です。人々を放射能から守りたい、汚染がどれくらいあるか事実を知らせたい、原発事故をなかったことにさせない、という思いで6年間活動してきました。
今回の『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』は、活動の1つのまとめとして、市民による市民のためのどこにもない本を目指して、「お母さんから専門家まで」どなたにでも読んでいただけるよう、みんなのデータサイト参加33測定室のメンバーが力を合わせて分析・執筆・編集作業を進めてきました。
現在全国で戦っている原発避難者訴訟の弁護士の方々や原告の皆様の活動の一助となること、また、放射能に汚染されている「東日本」一帯にお住いの皆さんが改めて「放射能」について知り、考え、分断を乗り越えてつながり合うための、1粒の種となれば幸いです。そしてこの本が、未来の子どもたちへ、2011年に起きた原発事故による放射能汚染の実態がどのようであったか、事実の記録集として保管され伝えられるようにと願っています。
目次
はじめにはじめに
「汚染」ということば
測定室であり生産者でもある農家の苦悩
「廃棄物ーフレコンバッグに入ったものは」
第1章:土壌
〜知ろう!測ろう!つながろう!〜「東日本土壌ベクレルプロジェクト」とは?
東日本土壌ベクレル測定プロジェクトによる「東日本17都県マップ」
【青森県】 土壌マップ
読み解き解説 ●さっぽろ市民放射能測定所 はかーる・さっぽろ
コラム1 放射線の基礎を学ぼう1
【岩手県】 土壌マップ
読み解き解説 ●かねがさき放射能市民測定室
【宮城県】 土壌マップ
読み解き解説 ●みんなの放射能測定室「てとてと」
小さき花 市民の放射能測定室(仙台)、角田市民放射能測定室
コラム2 事故直後1週間の見えない「初期被ばく」を避けよ!
【秋田県】 土壌マップ
読み解き解説 ●さっぽろ市民放射能測定所 はかーる・さっぽろ
【山形県】 土壌マップ
読み解き解説 ●あがの市民放射線測定室「あがのラボ」
コラム3 放射線の基礎を学ぼう2
【福島県】 土壌マップ
読み解き解説 ●認定NPO法人 ふくしま30年プロジェクト
【茨城県】 土壌マップ
読み解き解説 ●つくば市民放射能測定所
コラム4 「福島原発事故由来の放射能となぜわかるの? Cs-137と134の比率のお話」
【栃木県】 土壌マップ
読み解き解説 ●益子市民放射能測定所
未来につなげる・東海ネット 市民放射能測定センター(C-ラボ)
【群馬県】 土壌マップ
読み解き解説 ●高崎市民測定所クラシル
【埼玉県】 土壌マップ
読み解き解説 ●森の測定室 滑川、HSF市民測定所・深谷
【千葉県】 土壌マップ
読み解き解説 ●東林間放射能測定室
コラム5 「福島原発事故直後にCs-134の測定データがなかったのはなぜなのか?」
【東京都】 土壌マップ
読み解き解説 ●こどもみらい測定所
【神奈川県】 土壌マップ
読み解き解説 ●東林間放射能測定室
【新潟県】 土壌マップ
読み解き解説 ●あがの市民放射線測定室「あがのラボ」
【山梨県】 土壌マップ
読み解き解説 ●町田放射能市民測定室はかるーむ
【長野県】 土壌マップ
読み解き解説 ●あがの市民放射線測定室「あがのラボ」
【静岡県】 土壌マップ
読み解き解説 ●未来につなげる・東海ネット 市民放射能測定センター(C-ラボ)
コラム6 お役立ちサイト・URL情報
ホットスポットを見つけ出し、追跡し、追及する
●Hotspot Investigators for Truth
東日本土壌ベクレル測定プロジェクト
「放射性セシウム 減衰推計100年マップ 2011ー2111」
第2章:食品
第2章「食品」の解析ページを読み進めるに当たって学ぶ3つのこと
●未来につなげる・東海ネット 市民放射能測定センター(C-ラボ)
1.福島事故以前の放射能汚染を学ぶ
2.福島事故以前の食品・土壌への放射能汚染の影響を学ぶ
3.福島事故後の食品へのセシウム移行と気になる食品について学ぶ
【牛乳・粉ミルク】 牛乳・粉ミルクの汚染度解析
コラム7 47都道府県測定施設・URL一覧
【米】 米の汚染度解析(玄米と白米)
【川魚】 川魚(淡水魚)の汚染度解析
【深掘り!測定室eyes】 福島沖および東京湾の海産物調査
【野生鳥獣肉(ジビエ)】 野生鳥獣肉(ジビエ)の汚染度解析
【野生キノコ】 野生(自生)キノコの汚染度解析
【深掘り!測定室eyes】 静岡県および隣県のお茶の汚染について
【山菜】 山菜の汚染度解析
【出荷制限マップ】 野生鳥獣肉(ジビエ)・キノコ類・山菜類の出荷制限マップ
【深掘り!測定室eyes】 農地と農産物の測定からみえた土壌汚染のばらつき
第3章:放射能を知ろう
空間線量率が変動する要因
【深掘り!測定室eyes】 オートラジオグラフでみられる宮城県内の汚染の地域差について
放射性降下物を観測・測定するには
【深掘り!測定室eyes】 指定廃棄物と除去土壌の問題について〜栃木県北のケース〜
100Bq/kgと8,000Bq/kgの規制および管理の問題について
【深掘り!測定室eyes】 ホットスポットファインダーによる空間線量率測定とその冊子化
森の放射能汚染 薪や木灰による被ばくの危険性
チェルノブイリマップと福島 2つの事故の汚染の濃さ・広がりを比べる
「チェルノブイリ原発事故」と「東京電力福島第一原発事故」を比較する
チェルノブイリと福島の汚染区分、避難・移住の権利を比較する
【深掘り!測定室eyes】 年間被ばく限度20mSvの非人道性
放射能汚染と甲状腺がん
原子力防災について考える
〜エッセイ〜 3人の福島の女性たちの「あのとき」と「今」
深刻化する避難者の状況「命を助けるために」
全国の原発稼働状況・モニタリングポスト一覧
「みんなのデータサイト」とは?
etc
単行本(ソフトカバー):200ページ
発行所:みんなのデータサイト出版
発売日:2018/11/13
サイズ:29.8 x 21 x 1.85 cm
★プロジェクト発足の経緯
日本国内での過酷事故発生2011年3月11日。
東日本大震災をきっかけに福島第一原発が大爆発し、膨大な量の放射性物質が環境中に撒き散らされました。
目に見えず、色も匂いもない放射能。
有害で、本来は生活の中にあってはならないもの。
それが一体、どこにどれだけ撒き散らされ、そして今、どれだけ存在しているのか・・・。
自分の身の回り、子どもたちが食べるものの汚染状況を知りたいと、2012年9月を皮切りに全国の市民放射能測定室のネットワークができ 「みんなのデータサイト」が誕生しました。そして、全国に散逸していた食品データの数値をワンストップで見られるように、データを統合。各種検索が出来るよう、データベースを構築しました。
★知ろう!測ろう!つながろう!「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」をスタート
食品データの登録が1万件を超えたところで、国が一向に「空間線量」(シーベルト)しか測らず、航空機モニタリングによる推計値でしか「土壌測定値」(ベクレル)を出さない(福島近県を除く)ことに着目しました。
そして、 「国がやらないなら自分たちでやるしかない!」との思いで、土壌を採取測定するプロジェクト着手を決意しました。2014年10月からのべ4,000人以上の市民の協力を得て、福島第一原発事故で放射性セシウムが広がり沈着したと考えられる17都県で土壌採取・測定を行う「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」を2年半かけて実施し、3,400ヶ所以上の採取測定が実現しました。
その後、この土壌調査結果を都県ごとの紙の地図にして、ウェブサイト上や手売りで頒布し始めました。1つ1つの丸印が、誰かがその場所に出向き、土を掘って測定を行なった結果です。本当に多くの方々の力を合わせた結晶がこのマップなのです。
「みんなのデータサイト」
北は北海道から、南は九州まで日本各地の市民放射能測定室が参加しています。食品や土、水、空間線量などの測定を行ない活動を続けています。
農業を営む人たち、小さな子を持つお母さんたち、少しでも良い未来を子どもたちに残したいと願う大人たちがメンバーです。ネットワークでつながりながら、それぞれの測定室で避難者を支援したり、給食の測定を行ったり、勉強会を開いたり、保養プロジェクトを行うなど、測定と同時に様々な活動を行っています。
みんなのデータサイト